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PC、年内上昇機運 日系2社の生産終了で

  アジアのポリカーボネート(PC)市況が下期にかけて上昇しそうだ。昨年末に日系2社が国内外で相次ぎ生産を終了した影響が浸透し、足元の受給バランスにはタイト感が出てきている。市場価格についても、原油価格が低水準で推移しているにもかかわらず下落局面にない。足元では1トン当たり2300〜2500ドル程度を維持しており、年内は上昇する可能性がある。一方、供給側では中国で外資系、ローカルともに新増設計画を打ち出していることから、これらが稼働に入るとみられる今年終盤以降は需給が緩んでいく見込み。

  原油が安値を付けているため、PCの原料となるビスフェノールAの価格は下落傾向にある。これを受け、2012年以降、650ドルにまで縮まっていたPCとの価格スプレッドは、14年秋に帝人が工場閉鎖を発表した後、最大で1300ドル程度まで回復。その後の業界内での合理化などを受け、足元は1000ドル前後に落ち着いている。

  力強さを欠く需要もPCの価格下落を抑制している要因の一つに挙げられる。15年度はOA機器の生産が世界的に低迷。これにより、需要家からの値下げ要求も比較的少なかったようだ。

  供給面では年産22万トン強の帝人・シンガポール工場と5万トン弱の出光興産・千葉工場が生産を終えた影響が年内も続くとみられる。年後半にかけて、足元の市場価格から200ドル前後上昇するという見方もある。

  ただ、域内の供給量は増加する見通し。独コベストロが上海市内に置くプラントを従来の2倍に当たる40万トンの能力に増強しており、年内にも稼働する予定。内陸部でもローカルによる合計60万トンのプラントが17年をめどに順次稼働に入るもよう。

(化学工業日報 5月19日付  より)

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