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MMAモノマー続騰 アジアの定修がピークに

  メチルアクリレート(MMA)モノマーが続騰した。今月にアジアの定修がピークを迎え、需給タイト感が増している。アジア市況は3月中旬の底値から1㌧当たり約600㌦上昇し、1800㌦を突破したようだ。定修が完全に明けるのは12月となるため、当初は高値圏にとどまるとみられる。

  アクリル樹脂の原料となるMMAのアジア需要は昨年、前年実績をわずかに下回った。中国の伸びは減退したが3%増加。東南アジアの低下が目立ち、5%と振るわなかった。

  2015年初めに240㌦だったアジア市況は原油安や需要停滞とともに弱含み、今年3月中旬に1280㌦まで沈んだが、インドや韓国などを含め各地で需要回復傾向がみられるうえに、設備トラブルの頻発や定修の集中によって需給がタイト化。1280㌦をそこに上値を追う展開となった。

  インドではホームユースを中心とした建築塗料向けが伸びており、韓国では導光板向けが回復してきたほか、家電製品向けが堅調。中国では塗料分野でMMAの配合比率が高い水系の需要が急速に増えているもよう。東南アジアの需要は14年の水準まで回復している。

  一方、供給面では中国で2件の能力増強があった。万達はデポトルで年2万5000㌧増やし、ほぼフル稼働の状況。盛虹は8万5000㌧設備を立ち上げたが、用途が限られ稼働は低いようだ。

  今年は昨年に反して設備トラブルが多いうえに、定修が集中。域内各社の定修は春先から連続的に行われ、今月にピークを迎えている。海外ではロッテケミカルやLG MMA、台湾プラスチックなどが定修月のようだ。国内では9月から12月までの長期案件を含め、複数の工場で行われている。こうしたなか、足元のアジア市況は1800㌦台後半まで上昇しているもよう。

MMAモノマー9月出荷8%減

  メチルアクリレート(MMA)モノマーの9月出荷は、輸出の2ケタ減が影響し前年同月比8%減の2万1230㌧と伸び悩んだ。一方、ポリマーでは成形材料が国内向け、輸出ともに堅調で12%増の9923㌧となった。

  石油化学工業協会のまとめによると、9月のMMAモノマーの生産は4%増の3万4494㌧、前月比では4500㌧減少した。出荷は国内向けが前年同月比9%増の1万110㌧、輸出は前月に続いて2ケタ減。

  7〜9月累計は国内向けが前年同月比8%増の3万240㌧、輸出が19%減の3万7205㌧。ポリマーの出荷は押出板・注型板、成形材料ともに前年同期実績を上回っている。

(化学工業日報 10月21日付  より)

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