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ベンゼン1000㌦乗せ 新設備稼働遅延など影響

  ベンゼンのアジア市況が1㌧当たり1000㌦台に乗せた。主要誘導品スチレンモノマー(SM)の域内の設備トラブルをきっかけに上昇基調で推移していたが、年明けに騰勢が再燃している。需要が堅調ななか、中国で石炭ベースのベンゼン供給が減少していることや、域内の新規設備の立ち上がりが円滑でないことなどが影響しているもよう。ナフサとの価格差は500㌦近くまで急拡大している。米国のスポット市況は先週に1000㌦を突破した。

ナフサ値差450㌦超に

  欧米でSMの設備トラブルが相次いで発生したことによってアジアのSM生産が拡大し、域内のベンゼン需要が急増。昨年11月の中国のベンゼン輸入は前月比7割以上増え、17万6300㌧に及んだ。一昨年4月(18万7600㌧)以来の高水準。当時はフェノールやジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)など誘導品の新規設備が複数立ち上がった時期だった。

  ベンゼンのアジア市況は昨年10月後半から上昇基調で推移。11月末の石油輸出国機構(OPEC)の最終的な減産合意を受けた原油相場の上昇も相まって、12月上旬に期近物が一時900㌦を超えたが、すぐに軟化していった。年明けに騰勢が復活し、今週に1000㌦台に乗せたようだ。

  中国の石油由来ベンゼンの生産能力は全体の約4分の1。中国では昨年から石炭が減産となった。また、減産で高騰した石炭の使用を控える動きがあったとすれば、ベンゼンの供給減要因になる。年明け以降は北京で深刻な大気汚染が発生しており、暖かくなるまで石炭の生産を増やすことは難しいとの見方もあるようだ。

  インドでは年産40万㌧設備が昨年中に立ち上がる計画だったが、いぜん稼働していないもよう。韓国でも50万㌧設備が完成しているが稼働は限定的のようで、これらの状況も市況を下支えしている。

  当初、ナフサとの価格差はインドと韓国の新規設備稼働開始を受け、年明けに200㌦を割り込むとの予想もあったが、足元は450㌦を超えている。

  ベンゼンの1月アジア契約価格(ACP)は前月比110㌦高の845㌦。米国契約価格(USCP)は12月が700〜703㌦で、1月は799〜823㌦で決着している。

(化学工業日報 1月25日付  より)

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