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旭化成 高機能POM拡販

  旭化成は、ポリアセタール(POM)「テナック」の機能性グレードによる市場開拓を加速する。コポリマータイプでは、低VOC(揮発性有機化合物)やホモポリマーに近い機械物性を持ちながら成形性に優れるグレード、導電性や高剛性といった高フィラー充填グレードなとを拡販する。とくに低VOCでは原着メタリック調による塗装レス提案で、自動車内装材の用途開拓にも拍車をかける。ホモポリマーでも、高粘度かつ低VOCグレードの開発にめどをつけており、環境特性と高い物性が要求される市場の掘り起こしに臨む。

  同社は機械物性に優れるホモポリマーと、耐熱性や耐薬品性など化学的安定性を特徴とするコポリマーの双方を事業化する世界で唯一のPOMメーカー。「両方ラインアップするからこそ互いの長所、短所を知り尽くしていることが強み」(同社)としており、ニーズに応じて最適なグレードを提案することで高機能ゾーンにおける市場シェア拡大に取り組んでいる。

  注力するのは、コポリマーでは低VOCの「Zシリーズ」。原料であるホルムアルデヒドの揮発を大幅に抑制したもので、シートベルト部品やカーオーディオ部品など自動車キャビン内で使われる用途での実績拡大に取り組んでいる。さらに高い意匠性を持った原料着色によるメタリック調グレードも、塗装レスによるコスト低減を訴求ポイントとしてインサイドハンドルなどの用途開拓を進める。高機能コポリマー「HCシリーズ」も耐久性の向上による小型化や省スペース化要求に応える提案を強めていく。

  一方、フィラー配合グレードでは、POMでは珍しいガラス繊維を35%も充填できる高強度の「Gシリーズ」が建材用途を皮切りに採用され始めている。金属摺動性も併せ持ち、まずはブラインドの機構部品で実績となったが、さらに自動車をはじめとした各種産業用途で金属代替の可能性を探る。

  ホモポリマーでも製品開発を強化する。新たに高粘度かつ低VOCという独自のグレードの開発にめどをつけて顧客提案を開始した。ホモポリマーの欠点である相対的な分解のしやすさを抑制したことで、自動車のギアや窓周りの部材などの小型化を訴えていく。

  自動車内での低VOC規制は、欧州規格を皮切りに中国などへも広がる動きを見せており、POMメーカーにとっても重要な開発テーマとなっている。

(化学工業日報 6月28日付  より)

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