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合成ゴム 国内価格が大幅上昇 ブタジエン急騰など背景

  合成ゴム価格が大幅に上昇した。自動車タイヤ向けとして代表的なスチレンブタジエンゴム(SBR)の2〜4月期の国内大口取引価格は、1㌔㌘当たり255〜285円ほど。原料となるブタジエンの急騰などを受け、フォーミュラベースで11〜1月期から35円程度値上がりした。スポット取引はさらに高い水準にある。1〜3月期の国産ナフサ基準価格は大幅な上昇が見込まれるなど各種原料価格は上げ基調が続いており、5〜7月期の合成ゴムは上げ幅の拡大が予想される。

  国内の合成ゴム取引価格は、3カ月ごとに原料価格の変動を反映させて決まる。昨年10〜12月の原料市況が軒並み上昇したことがSBR価格を押し上げた。ブタジエンは中国の旺盛な合成ゴム需要や天然ゴム高騰の影響を受け、平均価格が前の期から4割超上昇した。国産ナフサは6四半期ぶりに反転し8.6%上昇、スチレンモノマー(SM)も原料のベンゼン高を映し8%ほど値上がりした。

  SBRのスポット取引は300円前後が中心価格になっているもよう。原料に先高観があるうえSBRにタイト感が出てきていることが背景。

  ホースやオイルシールなど自動車部品に多く使われるアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)は370〜430円程度。30円ほど値上がりした。原料のうち、4割を占めるアクリロニトリル(AN)の価格はほぼ横ばいで推移したものの、ブタジエン高騰の影響が大きかった。

  また、ナフサ価格とほぼ連動するエチレンプロピレンゴム(EPDM)は7円程度上昇し、290〜310円となった。

  原料は足元も強含みの状態だ。原油価格の上昇を受け、1〜3月の国産ナフサは1㌔㍑当たり4万2000円を超えるとの観測が出ている。ブタジエンやSMも年明け以降、高値圏で推移している。ANについては今後、台湾や中国でプラント定修が予定されており、タイト気味となる可能性がある。こうしたことから、5〜7月の合成ゴム価格はいずれも上昇幅が拡大するとの見方がある。

(化学工業日報 2月17日付  より)

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